#11「最後の戦い 月は地獄だ!」(95/07/30)


○シルル機・コクピット
   狭いコクピット内にぎゅうぎゅう詰めになってる一同。
ゼブラ「来たぞ!」
はるか「え?」

○宇宙空間
   突如、来襲したメガモンス2機、シルル機にむかってビーム砲をはなつ。
   ばしゅーーーん!!

○シルル機・コクピット
   その衝撃で揺れるコクピット。
シルル「あわわわわわわわ」
ゼブラ「…このままではやられる。出るぞ!」
はるか「オッケー!」
   天井のハッチを開け、外へ出るゼブラとはるか。
   (ピンキー星人は宇宙空間でも平気)

○宇宙空間
   ダブルピンキーとメガモンスの激しい戦い。
ゼブラ「ゼットエンド・ビィーーーーム!」
はるか「ピンキークラッシュ!」
   ドドーーン! 大爆発を起こす2機のメガモンス。

○シルル機・コクピット
シルル「ああああああ…。もったいない」
   はるか、ハッチから中をのぞき込みながら、
はるか「何悲しそうなカオしてんのよ?」
シルル「あのメガモンス、あんたを倒すために取り寄せた、とっておきの奴だったのにいぃぃ…」
はるか「あっそ」
シルル「あんな無駄な使い方して…。ううう、許すまじカンブリア星人!」

○月面基地・指令室
カンブリア星人A「ううむ、シルル女王め。まさかスターピンキーどもと手を組むとは…」
カンブリア星人B「予想外の事態だな」
遊星大使「なぁに、心配いりません。この月面基地の兵力なら、奴らに充分対抗できます」
遊星大使「さぁ兵士諸君、今こそ決戦の時が来たぞ! スターピンキーQを倒し、オルドビス帝国の栄光を取り戻すのだ!」
兵士たち「おおーーーっ!」
遊星大使「(心の声)…束の間の栄光にすぎんがね。フッフッフッ」

○月面
   月面基地上空にさしかかるシルル機。

○シルル機・コクピット
マリオン「シルル女王、まさかこのまま正面突破するつもりですか? それはあまりにも無謀かと…」
シルル「さっきのメガモンス見たでしょ。どうせもう向こうには気づかれてるわよ」

○月面基地
兵士「撃て撃てーーっ!」
   シルル機に向かって対空砲火を浴びせる兵士たち。

○シルル機・コクピット
   対空砲火の衝撃で揺れるコクピット内。
シルル「あああああ、完璧な防空体制を作ってしまった自分が恨めしいっ!」
デボン「しゃあないッスね。突っ込みまっせー!」
   月面基地ドームの天井に向かって、急降下するシルル機。
タルト「ひいい、特攻するのぉ?」
マリオン「キャプテン、キャプテン!」
はるか「何よ、こんな時に?」
マリオン「今後の戦いは熾烈を極めると予測されます。どうかピンキースーツを着用して下さい」
ゼブラ「うむ、私もその方が良いと思うぞ」
はるか「でも、あれはちょっとねぇ…」
マリオン「ここなら他に見ている人もいないですし、恥ずかしくはないでしょう?」
はるか「それだけが理由じゃないのよ」
マリオン「え?」
シルル「おしゃべりはそこまでよ! 衝撃に備えて!」
   どーーーん!
   ドームの天井を突き破り、中に突入するシルル機。

○月面基地・最上階
   ボロボロになりながら、なんとか着地したシルル機。
   機外に這い出す一同。
   (マリオンはピンキースーツの入ったケースを大事そうに抱えている)
はるか「みんな、無事?」
   ザザッ! そのまわりを取り囲むオルドビス兵たち。
シルル「やるしかないわね」
   剣を抜き、襲いかかるオルドビス兵たち。
マリオン「フィンガーミサイル!」
シルル「シルル・デスボール!」
はるか「ピンキー・スライサー!」
ゼブラ「Z(ゼブラ)スパイラル!」
   はるかたちの必殺技の前に、次々と倒されるオルドビス兵たち。

○同
   オルドビス兵、倒しても倒しても新手が現れる。
ゼブラ「…いかん」
はるか「どうしてぇ? 私たちの方が圧倒的に強いじゃない」
ゼブラ「敵の数が多すぎる…。このままでは、カンブリア星人と戦う前に、エネルギーを使い果たしてしまうぞ」
はるか「そ、そっかぁ。どうしよう」
マリオン「シルル女王、この基地の事を一番知っているのは貴方です。何か手は無いのですか」
シルル「そうね。兵士はクローン工場で大量生産してるの。だからそこを押さえれば…」
デボン「クローン工場はこの下のDブロックにあるッス」
   さらなる新手の部隊が入ってくる。
タルト「よぉーーし、ここは私が食い止めるわ! おねーさまたちはクローン工場へ行って!」
兵士「ほざくなチビめ! お前一人で我々を食い止めるだと?」
タルト「ふん、ピンキーチームのタルトちゃんをなめるなよぉ!」
タルト「秘技・全細胞解放!」
兵士たち「うわっ!」
   ぶあああああああああっ!
   一瞬にして巨大アメーバ上に変化するタルト。
タルト「きゃはははははははははーーーーっ!」
兵士たち「た、助けてくれーーーっ!」
   次々と巨大アメーバに飲み込まれていく兵士たち。
はるか「(呆然とその光景を見つめながら)す、すご…」
タルト「おねーさま、今です! 急いで下さい」
シルル「こっちよ!」
   シルルたち、壁の通風口のフタをひっぺがし、指さす。
はるか「(我に帰って)…あ、そ、そうね。頼むわ、タルト!」

○指令室
   スクリーンには基地内の透視図と、はるかたちの現在位置が表示されている。
カンブリア星人A「マズイぞ! 奴ら、クローン工場に行くつもりだ!」
遊星大使「大丈夫です。工場入り口には、対ピンキー星人用の特殊部隊が待機しています」

○クローン工場前
   通路を走るはるか達。目前に工場の扉が。
シルル「ここよ!」
   ビシュン! ビシュン!
はるか「うわっ!」
   黒ずくめの制服を身に付けた、遊星大使の特殊部隊兵が、はるか達を狙撃してくる。
   ピシャッ!
ゼブラ「うっ!」
   その内の一発がゼブラに命中する。
はるか「ゼブラ!」
ゼブラ「…こ、これはUPB弾!」
   特殊部隊兵、UPB弾を乱射する。
ゼブラ「遊星大使の奴め。ついにUPBの量産に成功したのか!」
はるか「うかつに動けなくなっちゃたわね」
シルル「へへーーん。UPB弾なら、私達には関係無いわ。行くわよ、デボン」
デボン「へいッス」
   シルルとデボン、工場のドアに向かって走り出す。
はるか「…あ、あのバカ!」
   一部の特殊部隊兵、シルルに気付き、カートリッジを実弾に切り替えて撃ちまくる。
シルル「ひええええええっ!」
ゼブラ「仕方がない! 行くぞ!」
   銃弾の雨をかいくぐりながら、戦いを始めるゼブラとはるか。
   シルルとデボン、その隙にドアにたどりつき、電子ロックキーを開けようとする。
デボン「駄目ッス。パスワードが変更されてるッス」
シルル「なんですって〜〜!」
   その声を聞いたはるか、戦いながらマリオンに、
はるか「マリオン、ここは私とゼブラに任せて! あなたはドアを開けるのを手伝うのよ!」
マリオン「ですがキャプテン、それは…」
はるか「いいから。シルルが工場内で変な事しないように監視してね」
シルル「あんた、私の事信用してないのっ!」
はるか「あったり前でしょ」
マリオン「わかりましたキャプテン!」
   マリオン、電子ロックの端末に自分のコードを差し込み、あっという間にロックを解除する。
デボン「さすがッスね」
   マリオン、シルル、デボンの三人、工場内に入る。
   再びドアを閉め、その前を塞ぐように立つゼブラとはるか。
   二人、珍しく息が荒くなっている。
ゼブラ「はぁ、はぁ…。さすがは遊星大使の直属部隊だけの事はある。手強いな」
はるか「そうね。でも今は戦うしかない!」
   激しい戦闘が続く。

○クローン工場内
   工場内全景。
   培養液の入ったガラスのカプセルがずらりと並んでいる。
シルル「ふっふっふっ、ここさえ押さえりゃ大逆転も可能よ」
シルル「デボン、クローン兵緊急増産!」
デボン「へーーいッス」
   デボン、機械をガチャガチャと操作する。
   マリオン、不審そうな表情で監視している。

○基地最上階
タルト「きゃはははははははははははははは」
   巨大アメーバと化したタルト、大暴れを続けている。
   パニックに陥り、逃げまどうオルドビス兵たち。
オルドビス兵(上官)「ひるむな! 冷凍ガスの用意!」
タルト「げっ!」
   オルドビス兵たち、ボンベから冷凍ガスを巨大アメーバに向け噴射する。
タルト「し、しまったぁ…」
   たちまち凍り付いて動けなくなる巨大アメーバ・タルト。

○工場前
   特殊部隊兵とはるか、ゼブラの戦いはなおも続く。
ゼブラ「その程度の攻撃では、私は倒せんぞ!」
   …が、実弾の一発がゼブラのゴーグルをかする。
   カシャーン! 床に落ちて割れるゴーグル。
   ゼブラの素顔のアップ。目の部分に残る過去の傷跡。
ゼブラ「しまった! あれが無いと目が…」
   ゼブラ、あわててゴーグルを拾おうとする。
特殊部隊兵「今だ!」
   バババババババババババババ!
   ゼブラ、実弾とUPB弾による集中攻撃を受ける。
ゼブラ「ぐああああああっ!」
   床にバッタリと倒れふすゼブラ。
はるか「ゼブラーーーっ!」


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