第6話「燃えろ! 怒りのQフラッシャー」


○地下施設
N「こうして、星野はるかとスターピンキーFは、逃げたシルル女王を追って、オルドビス軍月面基地の地下へと潜入したのだった」
はるか「ありゃりゃ、こんなに広いとは思わなかったなー。それにパイプやらなんやらでえらくゴチャゴチャしてるし。うーん、どっち行けばいいんだろう?」
F「ピンキーアイを使うのよ」
はるか「あ、そうね」
   SE:ピュイーーーン!(ピンキーアイ作動音)
F「多分、シルル女王は最深部よ」
はるか「ふんふん、最短コースは…。わかった、こっちね!」
   SE:二人の走る足音
F「これだわ! このドアの向こうが女王の間よ!」
N「だが、二人の前に現れたもの、それは!」
   SE:キリキリキリ(宇宙カマキリの鳴き声)
はるか「なっ、なによこれはあぁぁぁ!」
N「全長10メートルはあろうかという、巨大なカマキリであった!」
F「こ、これは、セミー星の宇宙カマキリ!」
はるか「なんでそんなもんが…」
F「おそらく、シルル女王の番犬ってトコね」
   SE:キリキリキリ(宇宙カマキリの鳴き声)
はるか「ま、すんなり通してもらえるとは思ってなかったけど…」
F「気を付けて! あのカマは強力よ!」
   SE:キリキリキリ(宇宙カマキリの鳴き声)
N「最後のドアの前に立ちふさがる宇宙カマキリ! あやうし、ダブルピンキー!」

○オープニング
   主題歌流れる。

○サブタイトル
はるか「第6話・燃えろ! 怒りのQフラッシャー」

○地下施設
   SE:バサバサバサ(羽根を広げてジャンプする宇宙カマキリ)
   SE:ビュン!(カマを振る音)
はるか「ひーーーっ、間一髪! でっかい図体のくせになんて素早いの」
F「Q先輩、同時攻撃で一気にカタをつけちゃいましょう」
はるか「オッケー!」
F「フレンドリィ・ビィーーーム!」
はるか「ピンキーストーム!」
N「ダブルピンキーの必殺技が炸裂した!」
   SE:ビームとストームの合成音
   SE:衝撃音
   SE:キキーーーッ!(宇宙カマキリの悲鳴)
はるか「やったぁ!」

○地下施設
はるか「ま、私たちの力を合わせれば、こーんなカマキリくらい…」
N「だが!」
   SE:キリキリキリ(宇宙カマキリの鳴き声)
はるか「そんな、まだ生きてる! なんて生命力なの」
F「でも、さっきよりスピードが鈍くなってる。あとは私一人でやれるわ」
F「先輩はシルル女王を追って!」
はるか「いいの?」
F「決着を付けるんでしょう? 早くしないと逃げられるわ」
はるか「わかったわ! じゃ、後は任せたわよ」
   SE:キリキリキリ(宇宙カマキリの鳴き声)
F「さぁこっちよ、カマキリ!」
N「フレンドリィが宇宙カマキリを引きつけている隙に、はるかは最後のドアへと走った!」
   SE:はるかの走る音
はるか「行くわよ!」
   SE:バーン!(ドアを開ける音)

○スターブリーム号コクピット
N「一方、地上のスターブリーム号内では…」
   SE:ビュイン!(マリオンR再機動音)
マリオン「……う」
タルト「気がついた、マリオンR。もう大丈夫よ。修理は無事完了!」
マリオン「キャプテンは?」
タルト「地下に逃げたシルル女王を追っていったわ」
マリオン「…そう、心配だわ。シルル女王の事、きっと何か罠が仕掛けてあるに違いない」
タルト「大丈夫よマリオンRぅ。たのもしい味方、スターピンキー・フレンドリィちゃんが一緒だもん」
マリオン「なんですって!」

○女王の間
N「ついにはるかは、最後の部屋へと突入した!」
デボン「おっ、やっとご到着ッスね」
シルル「ふふふ…」
N「中にいたのは、シルル女王とデボン参謀の二人だけであった」
はるか「さぁ覚悟はいい、シルル女王? もうあんたを守る兵隊はいないみたいね」
はるか「それとも、あんたが女王を守って戦う?」
デボン「いやいやそんな。私ゃ頭脳労働専門ッスから」
はるか「…だ、そうよ。さぁかかって来なさい。今度こそオルドビス帝国の最後よ」
シルル「あーらそうかしら? 最後になるのはそっちじゃなくて?」
はるか「なにっ?」
F「フレンドリィ・ビイーーーーム!」
   SE:ビーム命中音
はるか「きゃあああああああああああ!」
N「スターピンキーFの必殺ビームがはるかの体を直撃した!」
   SE:バタッ!(はるかが倒れる音)
はるか「…う、くっ」
F「さすがに効いたようね、スターピンキーQ!」
N「振り向いたはるかが見たもの。…それは、宇宙カマキリにまたがったスターピンキーFの姿であった」
F「この子、ホントは私のペットなの」
はるか「フレンドリィ…、どうして?」
F「あーーーっはっはっはっはっはっ!」
シルル「スターピンキーQ、あんたは罠にかかったのよ!」
F「私はもともとそこにいるデボン参謀の親友でね。今までのは、すべてお芝居だったというわけ」
デボン「そうそう。フツーのやり方じゃ、なかなか無敵のピンキー星人を倒せないッスからねぇ」
はるか「…く、くそっ。ピ、ピンキー・グランドウェ……」
デボン「おっ、まだやる気ッスね。でもここまでの戦いで、おタクのエネルギーはもう底をついてるハズ。その辺も、ちゃーーんと計算済みッスよん」
シルル「そぉれ! シルル・デスボール!」
N「シルルの念力に操られた、無数のボール爆弾がはるかに襲いかかる!」
   SE:小爆発音多数
はるか「きゃああああああああああああああ!」
シルル「あーーー気持ちイイ。積もりに積もった恨みがスーーッと消えてくわ」
F「あーはっはっはっ、銀河に名高いスターピンキーQも、いよいよ最後というわけね」
はるか「…わからない。どうしてピンキー星人のあなたが、オルドビス帝国に協力しているの?」
F「ふん、ピンキー星人だと? そんなものはとっくに滅びたのさ!」
はるか「じゃあ、あなたはいったい…」
F「見せてやろう! これが私の正体だ!」
N「スターピンキーFの美しい顔が醜くゆがむ!」
   SE:シュイイイイイイン(変身音)
はるか「ああっ!」
   SE:ジジジジジジジジジジ…(セミー星人鳴き声/セミの声を加工)
N「そこに現れたのは、奇怪な昆虫型エイリアン・セミー星人であった!」
セミー星人「驚イタカ! コレガせみー星人ノ変身能力ナノダ!」
   (セミー星人のセリフは機械加工処理する)
はるか「…そんな。…仲間だと、仲間だと思っていたのに」
はるか「許さない! 絶対にあなた達を許さないわ!」
セミー星人「フン、大口ヲ叩クナ! ぼろぼろニ傷ツイタオマエニ、ナニガ出来ルト言ウノダ。……ムッ!」
   SE:シュイイイイイイイン!(エネルギー蓄積音)
シルル「なによあれ、Qの体が光ってる」
デボン「まさか、あんなエネルギーが残ってるハズが…」
はるか「むん!」
シルル「…た、立ち上がった! そんな馬鹿な!」
N「ピンキー星人星野はるかは、激しい怒りによって興奮状態に達した時、大脳からミラクル物質ピンキナドリンが全身に放出され、無限の超人パワーを発揮する事ができるのだ! 戦え! スターピンキーQ!」
はるか「行くわよ! セミー星人!」
はるか「ピンキー・クラッシュ!」
   SE:ドゴッ!
セミー星人「ギーーーーッ!」
   SE:ドタッ!(セミー星人が倒れる音)
シルル「ああっ、まずい!」
デボン「大丈夫ッス。セミー星人はそう簡単にはやられないッス。ほら!」
セミー星人「ナカナカヤルナ、すたーぴんきーQ! 今度ハ私ノ番ダ」
   SE:ミュイーンミュイーンミュイーン(セミの声を加工)
はるか「うぐぐぐぐぐぐぐ…。こ、これは!」
N「セミー星人の超音波攻撃だ!」
セミー星人「ソォレ! モウ一発!」
   SE:ミュイーンミュイーンミュイーン(セミの声を加工)
N「はるかの着ていた服が、ボロボロに砕け散る!」
はるか「ひええっ!」
デボン「ひょお、ラッキィ!」
シルル「あはははは、いい格好ね! スターピンキーQ」
はるか「うう、これじゃあ…」
   SE:ピーピーピー(通信音)
N「その時、ピンキーアイにマリオンRからの通信が入った!」
マリオンの声「キャプテン、大丈夫ですか?」
はるか「マリオンR!」
N「はるかは、手短かに現在の状況をマリオンRに伝えた」
マリオンの声「ご心配無くキャプテン、ピンキースーツなら超音波攻撃のショックにも耐えられます」
はるか「えっ、アレ着るのぉ?」
はるか「…と、そんな事言ってる場合じゃないな。すっぱだかよりマシだもんね。でもそうやって着替えるの?」
マリオンの声「この距離なら電送できます! ピンキーアイの波長を合わせて下さい!」
はるか「わかった、こうね!」
セミー星人「ナニヲごちゃごちゃ言ッテイル。今度ハ服ダケデハ済マンゾ、オ前ノ肉体ゴトばらばらニ砕イテヤル。音量あーーっぷ!」
   SE:ミュイーンミュイーンミュイーン(セミの声を加工/大きく)
マリオンの声「ピンキースーツ、転送!」
   SE:転送音
はるか「装着!」
   SE:シャキーーン!(装着音)
はるか「スターピンキーQ・パーフェクト!」
セミー星人「ナニッ!」
   SE:ミュイーンミュイーンミュイーン(セミの声を加工/大きく)
セミー星人「馬鹿ナ! 私ノ超音波ガ効カナイワケガ…」
はるか「お返しよ! 必殺・ピンキーダイナマイト!」
   SE:必殺技の音
   SE:大爆発音
セミー星人「ギーーーーーーーーッ!」
はるか「やった!」
シルル「ええっ、そんなぁ」
デボン「いや、まだ…」
N「そう、ピンキーダイナマイトによって大ダメージを受けたものの、セミー星人はまだ死んでいなかった!」
セミー星人「…ぎーら、コッチヘ来ルノダ、ぎーら!」
   SE:キリキリキリ(宇宙カマキリの鳴き声)
セミー星人「…ガ、合体ッ!」
   SE:ピキーーーン!(合体音)
はるか「うそ!」
セミー星人「見タカ、コレガ私ノ切リ札ダ!」
N「宇宙カマキリのパワーを得て、巨大化していくセミー星人!」
   SE:ピシッ!
シルル「あ、地下基地の天井にヒビが…」
   SE:ガラガラガラ…(崩壊音)
デボン「…陛下、ちとヤバイっすね」
シルル「うん、どうもそんな感じ…」
デボン「では、いつものパターンで」
シルル「脱出カプセル、よーい!」
   SE:ガラガラガラ…(崩壊音/大きく)

○スターブリーム号コクピット
タルト「マリオン、なんか様子が変よ!」
マリオン「あれは…」
   SE:ババーーーン!
N「ついに地下基地の天井を突き破り、巨大に膨れ上がったセミー星人が姿を現した!」
   SE:ジジジジジジジジジジ…(巨大セミー星人鳴き声)
タルト「げえっ、なにアレ!」
マリオン「スターブリーム号、緊急上昇!」
   SE:スターブリーム号上昇音
タルト「そうだ、おねーさまは?」
マリオン「あっ、あそこに!」
N「見よ! 巨大セミー星人の前にすっくと立つ、スターピンキーQの雄姿を!」
はるか「いくら大きくなったって、私には勝てないわ!」
   SE:ジジジジジジジジジジ…(巨大セミー星人鳴き声)
はるか「…よくも、よくも今までだましてくれたわね 受けてみろ! これが怒りの…」
   SE:シュイイイイイイン(エネルギー蓄積音)
はるか「Qフラッシャー!!」
   SE:ピカッ!
   SE:ドドドドドドドドドドドーーーーーーーーン!
   (少し間)
タルト「…す、すご。あの怪物も、オルドビス軍の基地もまるごと吹っ飛んじゃった」
マリオン「キャプテンを怒らせた、当然の報いですよ」
   (少し間)
はるか「……さよなら、スターピンキー・フレンドリィ」

○宇宙
   SE:脱出カプセル飛行音
デボン「ふう、なんとか脱出成功したッスね」
シルル「うーーーむ。Qフラッシャーか。なんとかあのパワーを封じる手を考えなくちゃ」
デボン「え、陛下。まだやるつもりなんスか?」
シルル「あったり前でしょ。このシルル様がこれくらいであきらめると思ったら大間違いよ。そうだ、今度はあのQフラッシャーをはねかえす機能を持ったメガモンスを作るのよ。そうすればスターピンキーQだって…」
デボン「とほほほほほほ…」
   SE:脱出カプセル飛行音(次第に小さく)

○スターブリーム号・コクピット
N「こうして、見事オルドビス軍の陰謀を撃ち破り、無事マリオンRを救出したスターピンキーQは地球へと向かった」
   SE:スターブリーム号飛行音
マリオン「スターブリーム号、着陸準備に入ります」
はるか「あっマリオン、ちょっと待って!」
マリオン「はい、なんですか。キャプテン?」
はるか「ウチじゃなくて、北野公園の方に降りてくれない?」
タルト「なんでぇ? 早く帰りましょうよぉ」
はるか「いいから!」
マリオン「了解! 北野公園に着地します」

○北野公園
   SE:スターブリーム号着陸音
はるか「いるわけ、ないよね…。もう5時だもんなぁ」
   (少し間)
タルト「おねーさま、どうしたんですか?」
はるか「なんでも、ない!」
はるか「マリオンR、スターブリーム号発進! そのまま大気圏外まで上昇!」
マリオン「え、どこへ行くのですかキャプテン?」
はるか「どこにも行かない! いいから適当にぶっ飛ばして、宇宙のドライブと行きましょう」
マリオン「はぁ…」
はるか「たまにはいいじゃない? パーーッと行きましょう、パーーッとね!」
   SE:スターブリーム号発進音
はるか「GO! GO!」
タルト「わかんないなぁ、おねーさまって」
   SE:スターブリーム号飛行音

○学校
   SE:キーンコーンカーンコーン(チャイムの音)
琴菜「はるかちゃん、土曜日行かなかったんだって? 堀部君、なんだか寂しそうだったわよ」
はるか「いいのいいの。そーゆーの興味無いもん!」
琴菜「強気ねぇ、はるかちゃん」
はるか「それより琴菜ぁ。今度の日曜日、新しく出来たショッピングスクエア行かない? 記念セールで靴とかバッグが安くなってるんだって」
琴菜「いいわよ。ちょうどそこのホールで古書市も開かれてるし…」
はるか「よし、決定! じゃ、11時に駅前で待ち合わせして…」
琴菜「お昼はどこで食べようか?」
   (二人の会話、しだいにF・O)

N「こうして、星野はるかは平和な日々を取り戻した。だが、まだオルドビス帝国が滅びたわけではない。復讐に燃えるシルル女王は、体勢を立て直し、再び地球襲撃のチャンスをうかがっているのだ。油断するな、星野はるか! 戦え、スターピンキーQ !」


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